民主主義をアップデートする シビックテックの可能性と課題
藤井:オンラインとオフラインの融合が次のポイントでは
これまで、シビックテックは政策形成上のコンフリクトには力を発揮できなかった 政策形成過程での参加が可能になってきた
マクロのポピュリズムではなく、地域のコミュニティによる再興がポイントでは
マチマチ等の地域SNSとか
宇野:まともな熟議のプラットフォームになっているのか? 藤井:Decidimの例、まだ萌芽期にしかすぎないが。
日常における市民参加。ルールメイキングというほどではない
隅屋:標準化、ルール関連情報のオープン化が重要
法律の複雑さをどうわかりやすく伝えられるか
宇野:マクロな方、アーキテクチャからのアプローチ。藤井さんの意見とは対立軸
藤井:対立軸とはいいつつ、レイヤーの違い。どの階層までオープンにするのか?
ぶつかっている利害関係がある
法律の根っことなる意思決定は、政策形成過程論。
法制局の上だとテクニカルな話。それより下の党レベルの議論をオープンにするのは難しい。議員連盟の名簿はオープンではない
下からムーブメントを作っていって、オープンな政党が出てくると良いなと思っている
隅屋:アーキテクチャを使いこなす人たちがいないといけない。両輪。
少なくとも根拠となったエビデンスなどはあるはず。それが公開されていない
藤井:vTaiwan も意外とテクニカルで専門的なな議論から始めている。 ラドクリフ:ライトユーザーがどれくらい参加できるか
最初のステップは熱量のある人達。それは今起きている
次の過程はライトユーザー。参加した納得感の輪がどう広がるのか。
Q&Aサービスを作ろうと思ったら、アクションをする人の次に、情報を使う人達を集める必要
オフラインの議論も、同じ根っこなのでは
ラドクリフ:ただ単にいいねを押すだけのような人たちのことも許容すべき。次のステップへの階段を作る
隅屋:2:6:2の法則。どんなサービスでも温度感の差はある。おおらかさが必要。GitHub女将すごい
藤井:あいさつはネタ。ポイントとしては、デモグラフィックな属性で繋がるのではなく、たまたま地域に住んでいる、ということで繋がること。
ITが世の中を分解している。極端なポピュリズム。
宇野:いいたいことはわかるし、連帯は大事だが、共感ベースのコミュニティはあまり支持できない
新宿区的リアリズムに生きていると、世田谷区っぽい世界観には付いていない。多様な社会感覚
だからこそ生きていける感覚がある。
まったく関係のない、無関心な人間だけど尊重する、という態度が重要では
藤井:都市ゆえの匿名性の良さ、というものは尊重すべき。理解しようとする
宇野:理解できなくても尊重すべき
宇野:今のインターネットは、承認欲求のための装置。
分断線が少ないのがいけない。もっとたくさんあれば問題ないのでは。
相互評価の動員ではないインターネット
Twitterなどのタイムラインとはかけ離れたもの
vTaiwan の限界は、本当に生々しいコンフリクトに対応できないこと
より大きなもの⇔専門的なもの
ラドクリフ:今作っているTalkstandも、フォロー/フォロワーという関係性を排除している。つながりを断つ スタンスを取らなくて良い。フレンドを気にせずに自由に話せるゆるい場が生まれた
相手の主義主張を気にしないで良い。
同じアニメ好き、同じ歌手が好き
藤井:わかる。社会の統合や連帯のためには、対話力というのを上げていく必要がある。民主主義に資する 宇野:共感が無くても良い
HTMLタグのレベルから、アテンション・エコノミーにつながらないような仕組みが必要
宇野:リベラル層は、東京の一部のみ
インターネットの外側の世界を、本当の意味で外側として成り立たせられるのか?
金持ち喧嘩せずみたいなコミュニティを作っても意味がないのでは
リベラルな地域のコミュニティが、それ以外のコミュニティに影響していかないのでは
藤井:ITによってそれを繋ぐことができるのではないか。
ラドクリフ:○○区というのも一つの境界線の一つ。ITで多様な境界線を作れる
ラドクリフ:人と話すことで自分の輪郭が見えてくる
宇野:対話ってしらじらしいし重い。コストが高い。「ま、いいか」と思えること
ラドクリフ:どうやって?→気にしない(宇野)
藤井:コミュニティテックに可能性がある。
宇野:評価することが面白すぎるので、そうではない面白さが確保できるインターネットが必要。
CloudLawは虚しい。今のSNSの相互評価を相対化する、政治との関係を作ることが必要
対話ベースではないなにか
藤井:トピックによるだろう。テクニカルな議論に対して対話による合意形成ができないわけではない
宇野:真空空間でないと生きていけない人たちがいる、ということを理解してもらいたい。そういう人たちを包摂していく必要があるのではないか
隅屋:シビックテックの前線で頑張っている人に武器を与えたい
調達改革。シビックテックはボランティアベースでいいのか?
リアルなソリューションや政策として広がりを持つ必要がある
藤井:市民運動だったはずのシビックテックが、GovTechやPoliTechのような領域で民間企業が担い始めている
市民と行政との対話のインターフェースを行政が取り合っていくことが心配。どう和解させていくのか?
ラドクリフ:DAOに注目している。通貨を発行し、コミュニティの貢献度に応じて報酬が得られる 宇野:ある程度の規模が必要だが、どう維持するの?大きさのゲームから独立できない
ラドクリフ:小さな規模での通貨も成り立っている
藤井:クラウドファンディングのように、上場やExitをしなくても、コミュニティの中だけで流通ができる。それでもやっぱりラウンドごとに数億を調達していくGovTechベンチャーには負けるのでは
隅屋:オープンソースを活用する
藤井:逆に、ベンチャー企業を殺したりしないか?囲い込みができない
宇野:ポジティブな緊張感が必要。オープンソースのプレイヤーが監視機能として働くことが理想
宇野:これまでとはステージがかわってしまっている。シビックテックプレイヤーが何ができるのか
ラドクリフ:ITゼネコンのような大手企業が入ってきても、オープンな監視の仕組みやルールをつくることにこそテクノロジーが有効に活用できるのでは
会場からの質問:AppleのBlackboxの方が政府のオープンソースより信用できるんじゃない?
隅屋:誰がトラストアンカーになるのかという問題
昔は政府がトラストアンカーになれていた。議論もないし専門家も足りない。ただし、公共空間を守るという姿勢はある
VS関係ではなく、それぞれが得意なことを持ち寄ることが重要
政府は発信して伝え続ける必要
会場からの質問:シビックテッカーが足りないのでは
隅屋:足りないが、増えてきている。若い世代の方が相性が良い。可能性は感じる。
ある意味リテラシーのようになってほしい